社会人から看護師を目指す場合、まず看護師の資格の種類を理解する必要があります。
看護師とは厳密には正看護師と准看護師に分かれています。看護ケアや診療補助をおこなうという仕事内容は同じですが、正看護師は国家資格であり、自分の判断で業務ができるのに対し、准看護師は都道府県知事が認める資格であり、医師や看護師の指示のもとでしか業務ができないという違いがあります。また、一概に言いにくい場合もありますが、正看護師のほうが給与、管理職になれる可能性、キャリアプランの幅広さの点で優れている傾向にあります。
また、正看護師と准看護師では、資格を取得する上で通う学校にも違いがあります。正看護師を目指す場合、講義は基本的に昼間に行われるので、仕事を辞めて卒業まで学業に専念する必要があります。一方、准看護師の場合は、授業が午後や夜間におこなわれる半日制、あるいは通学の必要がない通信制の学校も選択できるため、働きながら目指すことも可能です。
正看護師を目指す場合、基本的に仕事を辞める必要があるとなると、経済的な負担が心配になることもあるでしょう。しかし、看護学校で奨学金制度は利用できる上、45歳未満で、仕事を辞めてから1年以内に看護学校の講義を受ける場合は「教育訓練支援給付金」を受けることも選択肢にできます。費用面に不安がある人は検討してみると良いでしょう。
試験には、学力が必須となる一般入試と、小論文や面接がメインとなる社会人入試があります。社会人入試では、看護師になりたい姿勢と適正を見られる傾向にあるため、「自分がなぜ看護師になりたいのか」「どんな形で貢献したいのか」をしっかり考えておくことが大事です。